夏前から始めたい「かかと」ケア!美しいかかとで、お気に入りのサンダルを楽しんで

夏前から始めたい「かかと」ケア!美しいかかとで、お気に入りのサンダルを楽しんで

ダイエットや脱毛など、夏に向けてケアしておきたいことっていくつかありますよね。そんな中、見落としがちなのが「かかと」のケア。サンダルを履く時に、皮膚が厚く白くなっていたり、ひび割れたかかとは意外と目立つもの。ただ、自己流でかかとの角質を削ったり、角質を強制的にピーリングするアイテムを使ったりするのは本当に正しいケアなのでしょうか?そこで、今回は皮膚科の先生に正しいかかとのケア方法を教えていただきました!

今回お話をしてくださったのは…

タマケアLab.編集部が伺ったのは、JR浦和駅西口から徒歩2分のところにある「高梨医院」。皮膚科・美容皮膚科では最新医療機材を揃え、かゆみや痛みなど、さまざまな皮膚のトラブルや日々のスキンケアにいたるまで親切で丁寧な治療をしてくれます。

お話を伺ったのは高梨医院の副医院長で皮膚科・美容皮膚科を担当している吉岡容子先生。これからの季節、特に気になるかかとのケアについて色々と質問してみました。

吉岡容子先生。東京医科大学卒業。日本美容皮膚科学会会員
医療法人容紘会 高梨医院 副院長。最新医療情報、治療法、ライフスタイルを発信しているブログが人気。

どうして、かかとは硬くなるの?

そもそもなぜ、かかとは硬くなりやすいのでしょうか。

人間の皮膚の細胞は常に一定の期間で生まれ変わっています。まず、皮膚の奥、表皮の底の部分(基底層)で生まれた新しい細胞が表面まで押し上げられ、それが剥がれ落ちるまでのサイクルをターンオーバーと言い、顔の皮膚ではおおよそ28日周期だと言われています。ところが、かかとの皮膚はその4倍ほど、120日周期でターンオーバーを行います。それだけ長い時間かかるのですから、当然かかとの角質は厚くなりがちなのです。

10代の頃は気にならなかったのですが、年齢を重ねるにつれてかかとのガサガサが気になるようになりました……。年齢とかかとの硬さって何か関係があるのですか?

加齢と共に血流が悪くなり皮膚の新陳代謝は落ちます。そのためにターンオーバーの周期が120日より長くなっていくので、若い頃に比べて皮膚の表面が厚く硬くなってしまうんです。

なるほど!血流がかかとの状態に影響を与えているのですね。

そうなんです。血液中の酸素は細胞の生まれ変わりに大きな影響を与えます。若い女性でも過度なダイエット、月経過多などで血流が悪くなると新陳代謝が落ちて手足の先が冷えたり、かかとが硬くなったりするなどの症状が出ることがあるので注意が必要ですね。

血流を良くするため、日中にできることはありますか。

ハイヒールを履いている時も、時々指を開いたり足首を回したりして足の血流をアップするのがおすすめ

軽い運動を心がけることが大切です。足指でゴルフボールをつかむ、指をパッと真直ぐに開く動作を繰り返すなどの運動は勤務中でもできますよね!ハイヒールを履いている人は足首が硬くなりやすく、血流が悪くなりがちなので足首を動かす運動をこまめにするといいでしょう。
そして旬の食材をしっかり食べましょう。これからの季節ならトマトやキュウリなどの夏野菜が身体に潤いを与えてくれますが、寒い時期に食べすぎると身体を冷やしてしまいますので注意が必要ですね。

その他にもかかとが硬くなりやすい原因はあるのでしょうか。

実は、人間が素足で立ったとき、足にかかる負担の7割はかかとにかかっています。それだけ強い刺激と負荷に耐えているので、かかとは自然と角質層が厚くなりコーティングされているような状態になるのです。机に肘を付いて長時間いると肘部分が硬くなりますよね。それと同じことです。

かかとのガサガサは現代病?!寝る前のひと手間がツルツルかかとの秘訣

かかとは角質が溜まって厚くなるだけでなく、表面が乾燥してガサガサになってしまうのも悩みです…。何が原因で乾燥してしまうのでしょうか。

かかとには皮脂腺がない。またストッキングや靴を履くことによるムレがガサガサの要因に

人間の毛穴には皮脂を分泌して水分の蒸発を防ぎ皮膚のうるおいを守るための皮脂腺があるのですが、かかとにはこの皮脂腺がありません。そのため、ガサガサになりやすいのです。

さらに、ストッキングや靴を履いて汗が発散しにくくなれば、ムレて肌荒れを起こし、結果的にガサガサになるということも。現代人に比べて、下駄や草履を履いていた昔の人の方が足裏の病気が少なかったという報告もあるんですよ。

通気性を保つことも大事なのですね!フラットシューズに比べハイヒールを履いているとムレやすいというイメージがあるのですが。

ハイヒールを履くときは気を張るような公の場が多く、交感神経が優位になって汗が出やすくなることが考えられますね。通勤通学にはスニーカーを履いてリラックスし、人と会う前にハイヒールに履き替えるとムレも少ないし、足への負担も抑えることができるからおすすめです。そういう工夫を重ねれば、結果的にかかとのガサガサを抑えられるかもしれませんね。

先生がおすすめするかかとのケア方法を教えてください。

寝る前のケアが一番大切です。皮膚の角質を軟化する効果のある、尿素やサリチル酸配合のクリームなどを塗って、靴下を履いて睡眠を取れば2〜3日でサラサラになると思います。

今日から早速やってみます!靴下はどのようなものを選べば良いのでしょうか?

足指のムレが気になる方にはかかと専用のフットケアアイテムも便利

出典: https://www.tamagawa-eizai.co.jp/product/foot-care/

綿やシルク素材のものは保湿効果が高いですね。でも、普段履いている靴下でも十分だと思います。足指のムレが気になる方はかかと専用の靴下がお勧めです。

ちなみに、お風呂でできるケアはありますか。

お風呂では身体が温まって新陳代謝が良くなっていますから、硬くなっているところをマッサージすると血流が良くなります。かかとにもツボはたくさんあるので、揉むと足全体が楽になりますよ。

かかとの皮膚は厚くてOK。削るよりも、しっかり保湿ケアを

次は自己流でやっているかかとのセルフケアについて、日頃思っていた疑問をいくつかお伺いしました。

Q1.かかとの角質を頻繁に削っている人も多いのですが効果はあるのでしょうか。

A1.よほど硬くなってしまったのでなければ削る必要はありません。

よほど硬くなってしまったのでなければ削る必要はありません。頻繁に削るのは、角質を傷つけてしまう可能性があり、かえって良くありませんね。かかとには体重を支えるという大切な役目があり、厚くなる理由があるのです。大切なのは角質が厚くなってもツルツルでひび割れの無い状態を保つこと。ターンオーバーの周期も違う顔の肌と同じように考えてはいけません。
硬くなった角質が重さに耐えられなくなってひび割れになり出血を起こすような場合は削ってもいいかもしれません。でも自分でやるより、フットケアサロンなどプロに任せたほうが綺麗にケアできると思います。

Q2.ピーリング効果があるといわれるフルーツ酸配合のクリームや乳液はどうなのでしょうか。

A2.肌に合うか、まずはパッチテストを。

フルーツ酸そのものが影響を及ぼしているかはわかりませんが、添加物の中の防腐剤などがお肌に合わない方もいらっしゃいます。まず二の腕の裏側などでパッチテストをしてから使用するよう、パッケージに書いてある通りに必ず試してみるのがお勧めです。かかとの角質が厚いのは足にかかる負担を軽減するためですから、無理に薄くしなくても保湿してツルツルの状態を保っていれば問題ありません。

Q3.角質除去アイテムはあまりおすすめしないということですか?

A3.セルフケアアイテムを使うのは半年に一度くらいの頻度で。

一つ持っておけば、半年に一度くらい使えるかな?という感じですね。角質は冬に溜まりやすいですから春が来る、夏が来るという前に少しだけお手入れしてあげるのもいいかもです。その程度で十分です。素材は軽石でも何でもご自身にあったものでいいですが、くれぐれも削り過ぎないように注意してください。

これって病気?注意したいかかとのサインは?

かかとのカサつき、ガサガサが実は病気だったということもありますよね。

足裏全体に痒みがある場合はただの乾燥ではないことが多いです。でも、水虫の原因である白癬菌(はくせんきん)がかかとに繁殖しても気づきにくい人が多いですね。

白癬菌の他にはどんな病気が考えられますか。

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)は、手のひらや足裏に、膿をもった小さな水ぶくれがくり返しできる病気です。硬くなった皮膚に炎症が生じる乾癬(かんせん)という病気もあります。春から夏にかけて毎日のように患者さんがいらっしゃるのが汗疱(かんぽう)という湿疹。汗が原因で小さな水疱(水ぶくれ)がたくさんできてしまう病気で、次第に皮がむけて、カサカサと荒れが見られます。

かかとの症状が気になった場合、病院に行く目安はあるのでしょうか?

湿疹や赤みがある、痛い、痒い。そんな症状があったら受診した方がいいですね。かかとを触ってひびの割れ方が深くなってきたと感じる、皮がいつもよりボロボロむける。そんな症状は白癬菌の可能性が高いです。でも、勝手にこすったりすると症状を悪化させてしまうこともあるので、診察を受けるべきです。かかとをじっくり見る方は少ないですが、ぜひチェックして見てください。

かかとの病気が深刻な病気に繋がることはあるのでしょうか。

かかとがひび割れていると皮膚のバリア機能が弱くなり、菌が侵入しやすくなります。その菌が体内に入れば全身感染症になる恐れもあるんです。特に糖尿病の方は体内に入った菌が増殖して炎症が全身に広がり、その結果敗血症になり、最悪の場合、生命を落とす危険も。かかとだけでなく、顔や手の皮膚も乾燥していると菌が入りやすくなりますから注意が必要です。皮膚は一番外側の臓器ともいわれるくらいですから、身体の状態が一番表れやすいところなのです。

皮膚は健康のバロメーター

かかとは体重をしっかりと支えているのである程度硬くなるのは仕方がないこと。それを承知の上で、血流や保湿に注意して美しいかかとをキープすることが大切です。

痒みや痛みを感じる、水ぶくれや湿疹が出るなどの症状は病気かもしれないので一人で悩まないで早めに病院に行きましょう。原因を検査して、適切なお薬を処方してくれます。皮膚は健康のバロメーターです!

吉岡先生、ありがとうございました。

高梨医院皮膚科・美容皮膚科

埼玉県さいたま市浦和区高砂1-8-10 TEL : 048-822-0302

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