コロナ禍で肌トラブルが急増中。マスク着用でできるニキビ「マスクネ」の適切なスキンケアを医師にインタビュー

コロナ禍で肌トラブルが急増中。マスク着用でできるニキビ「マスクネ」の適切なスキンケアを医師にインタビュー

2021.01.06

コロナ禍で必需品となったマスク。新型コロナウイルス感染拡大を防ぐために1日中マスクを着用することが日常化しました。そんな中、マスクとアクネ菌をかけ合わせた「マスクネ」という単語が新たに現れるほど、口周りのニキビに悩む人が急増しています。今回はマスクネの適切な対処法と、その他マスク着用で起こる肌トラブルについて医師にインタビューしました。

今回お話をしてくださったのは…

タマケアLab.編集部が伺ったのは、東急田園都市線・大井町線二子玉川駅より徒歩3分の距離にある「二子玉川ファミリー皮ふ科」。

2020年12月に開院したばかりで、医師もスタッフも全て女性。大人に多いニキビ・アトピー性皮膚炎・湿疹・アレルギー・しみ・しわなどの肌悩みから、おむつかぶれ・あせも・水イボ・イボなどの赤ちゃんやお子さんの皮膚疾患まで、あらゆるお肌の症状に対応してくれます。お話を聞いたのは総院長の玉城有紀先生。分かりやすい説明をモットーにしている玉城先生は、最近保育士の資格を取得されたとのこと!小さいお子さんでも安心して受診できます。

玉城有紀
帝京大学医学部卒業。皮膚科専門医を取得後、都内皮膚科クリニック勤務を経て、2014年「溝の口駅前皮膚科」開業。2019年「自由が丘ファミリー皮ふ科」開業。そして2020年12月「二子玉川ファミリー皮ふ科」を開業。日本皮膚科学会、日本美容皮膚科学会、日本臨床皮膚科医会などに所属する。

ニキビの原因は、「毛穴の詰まり」

そもそもニキビができる主な原因は何でしょうか?

ニキビの一番の原因は毛穴が詰まることです。毛穴の詰まりは、ターンオーバーの乱れによって角質層が厚くなったり、過剰に皮脂が分泌されたりすることにより発生するんですね。毛穴にはニキビの原因となるアクネ菌が常在しているのですが、毛穴が詰まってしまうと、出口を失ったアクネ菌が毛穴の中で皮脂を食べてさらに増殖。これがニキビです。

赤だけでなく、緑や白っぽく見えるものなど、さまざまな症状があると思うのですが、ニキビにはどのような種類があるのでしょうか?

大きく分けると、「赤いニキビ」と「白いニキビ」の2種類です。

赤いニキビは、ニキビが進行して炎症を起こした状態です。炎症がひどくなると膿んで膨れ上がり、痛みや熱を伴う場合もあります。

また、白い吹き出物には2つの症状があります。1つは本当のニキビで、もう1つは稗粒腫(はいりゅうしゅ)というニキビとは完全に別の症状です。

緑っぽく見えるものは、コメド(面ぽう)と呼ばれ、ニキビのごく初期の症状です。コメドは、角質によって毛穴が詰まって毛穴が大きくなると、そこに溜まった皮脂が空気に触れ酸化して黒く見えます。こうした状態のものは、黒ニキビと呼ばれることもありますね。

ニキビと似た症状で注意するべき肌トラブルはありますか?

胸や背中に赤いポツポツとした吹き出物が目立つマラセチア毛包炎(もうほうえん)は、見た目はニキビと似ていますが別ものです。ニキビの治療を続けても改善しない場合は、マラセチア毛包炎を疑って別の種類の薬を処方すると治ることがあります。

性別や年齢、体質、職種などでニキビができやすい人はいますでしょうか。

昔は10代の思春期の方にニキビができやすいというイメージがありましたが、最近はあまりそういった傾向はなく、大人でもニキビに悩んでいる人が多い印象です。また、仕事のストレスなどが原因で発生するニキビよりも、普段の生活習慣によるニキビの方が多いですね。男性の患者様でいえば、髭を剃る際に刃先でニキビを押し付けることでアクネ菌を皮膚内に閉じ込めてしまい、ニキビが治りにくくなる方が多数いらっしゃいます。

マスク着用で引き起こされる「マスクネ」とは?

コロナ禍で、マスクと、ニキビの原因菌でもあるアクネ菌を掛け合わせた造語「マスクネ」が注目されつつあります。なぜマスクを着用する機会が増えると、ニキビができやすいのでしょうか?

マスクをした状態で息をすると、吐いた息に含まれる水蒸気によってマスク内が蒸れ、菌が繁殖しやすくなることが原因として考えられます。また、マスクと肌が擦れることで生まれる摩擦もニキビができやすくなる原因の1つとして考えられますね。

ただ、マスクをつけていてもつけていなくても、「毛穴が詰まりやすい肌質である」のがニキビができる最大の原因であることは変わりません。

マスクを着用するうえで、肌のケアについて注意しなければいけないことはなんでしょうか。

肌のべた付きなどを頻繁にマスクを外してあぶらとり紙などで顔を拭くといった方もいらっしゃいます。ですが、肌の脂(あぶら)を拭きすぎると肌の乾燥の原因となり、角質層を厚くして毛穴の詰まりを引き起こすことがあるので、かえって逆効果です。もし口周りのニキビが気になるようなら、マスクを数枚持ち歩いて、新しいものにこまめに変えると良いと思います。

マスクの素材はどのようなものがよいでしょうか。

素材よりも顔の形にフィットするマスクを選ぶことが大切です。ニキビがある人は患部を押し付けない形状のものを選んでください。

メイクをした上にマスクをする女性が多いと思いますが、注意することはありますか。

お化粧をしてからマスクをすることによるニキビに注意するというよりは、マスクをしているからといって油断してノーメイクになる方がニキビやその他の肌トラブルを引き起こす可能性が高いと考えています。
マスクは紫外線を通してしまうものがほとんどなので、ノーメイクだともろに肌が紫外線を受けてしまいます。紫外線はシミの原因になるのはもちろんのこと、ニキビも悪化させてしまいますので、マスクをする時でも最低限日焼け止めだけは塗った方がいいですね。

ニキビを防ぐ、正しいセルフケアとは

ニキビの正しいセルフケアの方法を教えてください。

まず、洗顔をしっかりすることです。お肌を整える際には、ノンコメドジェニック処方で毛穴の詰まりを起こしにくい化粧水、乳液を使うといいと思います。ニキビ体質で皮脂の分泌が多いと、化粧水や乳液を使いたがらない方もいらっしゃいますが、ノンコメドジェニック処方のものなら使っていただけると思います。角質の厚さは0.02ミリと薄いのでしっかり保湿しないと直ぐに硬くなって毛穴が詰まるので、保湿はしっかりとするべきですね。

ニキビを悪化させないために注意することはありますか。

指でニキビを押すことは絶対にやめてください。清潔にしているつもりでも、指には雑菌が付いていますし、無理に押すとニキビ跡がなかなか消えなくなる原因となります。

洗顔料はどのようなものがいいのでしょうか。

高価なものである必要はなく、市販されている一般的な洗顔料でかまいません。どの洗顔料を使うかよりも、摩擦で肌を刺激しないようにしっかり泡立てて洗顔し、おでこの生え際やもみあげのところまで、しっかりすすぐことが大切です。電動の洗顔ブラシを使う方もいらっしゃいますが、肌に摩擦を起こしてしまうので皮膚科医としてはおすすめできません。
また、洗顔の後にタオルでゴシゴシと強く拭く方、顔に押し付ける方が意外と多いのですが、柔らかなタオルで優しく拭いてください。

市販の薬を使う際に注意することはありますか。

市販薬でのセルフケア自体に問題はないのですが、セルフケアを続けていても症状が改善せず、ニキビが悪化してからやっと皮膚科を受診する方が多いのも事実です。悪化してしまうとニキビ跡が長年残ってしまうもありますから、早いタイミングで皮膚科を受診してもらいたいです。
ニキビが1つでもできてしまったら、他にもニキビができてしまう可能性があると考え、早めに専門医に診てもらってください。

ニキビ治療には根気が必要!

ニキビで皮膚科を受診した場合、どのような治療をされるのでしょうか。

白いニキビも赤いニキビも毛穴の詰まりが原因なので、毛穴の詰まりを改善する薬を処方しています。今あるニキビを無くすための治療ではなく、ニキビができない肌質にするための治療をします。

ニキビ治療にはどのくらいの通院期間が必要なのでしょうか。

医者に行けばニキビが2〜3週間で治ると考えている患者様が8割と言われていますが、ニキビが完治するには1年はかかると考えてください。ニキビは比較的短期間で消えても、毛穴の詰まりを根本的に治すには肌質の改善が必須であるため、時間がかかるんです。
初診の患者さんにはまずそのことをしっかりとお話します。処方された薬を1本使えば治ると勘違いされている方が多いのですが、3〜4本使い続けてはじめて効果が表れる薬であることを説明しているのですよ。皆さんが思っているより、ニキビ治療には根気が必要なのです。

ニキビを防ぐために、普段の習慣や食生活で気をつけるべきことはありますか?

極端な偏食でなければ、食事はそれほど影響は無いと思います。ストレスを溜めないよう、好きなものを食べていただいて問題ありません。

マスクによるニキビに悩んでいる方にアドバイスはありますか。

ニキビはきちんと治療すればきれいに消えて治る病気です。保険の適用範囲内で対応できることがたくさんありますので、セルフケアに頼らず、専門医を受診して正しい治療を根気よく続けていただきたいです。ニキビが消えていくと笑顔が増えて性格もより前向きになる患者さんがたくさんいますよ!

大切なのは早めの受診!ニキビの適切なケアでしっかり肌を守って

マスク着用でニキビが増えたと感じている方も多いと思いますが、根本的な原因は毛穴のつまりであり、何より大事なのは「毛穴が詰まりやすい肌質をしっかり改善していくこと」であると学んだ今回のインタビュー。根本的な対処をしないとなかなかニキビが治らず、跡が残ってしまうこともありますので、セルフケアに頼り過ぎず、早めに皮膚科を受診することをおすすめします。玉城先生、ありがとうございました。

二子玉川ファミリー皮ふ科

東京都世田谷区玉川3丁目10-5 第2明友ビル3階

■東急田園都市線・大井町線「二子玉川駅」より徒歩3分

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