【簡単3ステップ薬膳スープ】免疫力をアップさせて冬を乗り切る「かぼちゃと鶏もも肉の酒粕シチュー」

【簡単3ステップ薬膳スープ】免疫力をアップさせて冬を乗り切る「かぼちゃと鶏もも肉の酒粕シチュー」

ご自身や家族の健康管理において、とても重要な「食」。この記事では、料理家であり、国際中医薬膳師のちづかみゆきさんが、いつもの食卓にプラスできる簡単薬膳スープのレシピを紹介します。今回のテーマは「免疫力アップ」。体調管理にはいつも以上に気をつけたい今だからこそ、このスープを是非お試しあれ!

レシピ監修:ちづかみゆき(料理家・国際中医薬膳師)

国立北京中医薬大学日本校(現 日本中医学院)にて薬膳を学び、国際中医薬膳師資格を取得。上海にて活動した後、東京で季節の薬膳や美容の薬膳を中心とした薬膳料理教室「meixue(メイシュエ)」を主宰。
現在は東京とボストンを行き来しながら雑誌、企業へのレシピ提供やイベント講師などを務める。新刊本「巣ごもりごはん便利帳 週2回の買い物でできる不調ケアレシピ」(翔泳社)

コロナウイルス感染防止や花粉シーズンに備えて高めたい「免疫力」

コロナウイルス感染に気を付けつつも、そろそろ花粉の対策も始めたい季節。どちらも免疫と大きく関わることから、免疫力を上げていくことが大切です。そこで、今回は薬膳の観点で、免疫力アップが期待できる「かぼちゃと鶏もも肉の酒粕シチュー」のレシピをご紹介します。

まずは薬膳について知ろう!

薬膳は中医学(中国の伝統医学)の知識をベースに食で健康にアプローチすることを指します。単純に「生薬が使われているから薬膳」というものではなく、体調に合わせて食材を選び、それらを組み合わせて調理します。実はスーパーで手に入る食材で簡単においしく作れます。足りないものは補い、多すぎるものは排出し、滞っているものは巡らせる…といったバランスを大切にし、病気の治療というよりは予防を重視するのが薬膳です。
中医学ではからだは基本となる3つの要素「気・血・水」で構成されていると考えられています。
この中で免疫に関わるのが、「気」(エネルギー)。気には様々な働きがありますが、その中でも免疫力にかかわる重要な働きが【3つ】あります。

1)内臓機能を促進させる

2)ウイルスや細菌などからからだを守る

3)からだを温める

免疫力を高めるためには、気の量を充実させ、この3つの働きを活性化させることが大切だと言われています。

薬膳における免疫力アップの方法とは

気は、疲労や睡眠不足などで消耗してしまうので、しっかりと補う必要あり。また、気の量が足りていても、滞っていては本来の働きを担うことができません。

気の滞りはストレスや冷えも原因に。一般的に体温を上げることは免疫力アップに繋がるとされていますが、薬膳の考え方からも、からだを温める食材を選び、温かい料理に仕上げて食べることは理にかなっているのです。

免疫力アップのための食材とその調理法

ではここから、今回のレシピ、「かぼちゃと鶏もも肉の酒粕シチュー」に選んだ食材を薬膳的にご紹介します。

  • かぼちゃ…気を補う。消化器の働きをよくする。温性(からだを温める)。

  • 鶏肉…気を補う。おなかを温める。生命のエネルギーである精を蓄える腎に働きかける。温性。

  • 舞茸…からだ全体を元気に。気を補う。便通をよくする。微温性。

  • 玉ねぎ…気を巡らせる。温性。

  • 酒粕…気を補う。おなかを温める。温性。

  • チーズ…腸を潤わせて便通をよくする。

  • ご覧の通り、温めも冷やしもしないチーズ以外、すべて温性の食材です。温かいスープに仕上げ、身体を効率的に温めてくれます。

    また、食べたものをきちんと栄養に変えてこそ「気」が作られるため、消化器の働きをよくしておくことも大切。その働きはかぼちゃが担います。

    その他、腸活のための食物繊維(舞茸、酒粕)、発酵食品(酒粕、チーズ)、免疫によいとされるβグルカン(舞茸)やビタミン、βカロテン(かぼちゃ)を含んだものを選びました。

    調理法については薬膳でもスープが基本とされています。消化にもよいですし、栄養もまるごといただけるので納得。このレシピは冷凍保存もできるので、多めに作ってストックしておくのもよいですね。

    免疫力アップのための栄養がつまった「かぼちゃと鶏もも肉の酒粕シチュー」

    材料(2人分)

  • かぼちゃ:1/8個(200g)

  • 鶏もも肉:1枚

  • たまねぎ:小1/2個

  • 舞茸:1/2パック(50g)

  • エクストラバージンオリーブオイル:大さじ1/2

  • 水:2カップ

  • [A]酒粕:大さじ1

  • [A]塩:小さじ1/2

  • [A]こしょう:少々

  • 粗挽き黒こしょう:適宜

  • 粉チーズ:適宜

  • 作り方

    1)かぼちゃは7mmくらいの厚さで食べやすい大きさに切る。鶏肉は一口大に切る。たまねぎは薄切りし、舞茸は一口大に手で割く。

    2)鍋にオリーブオイルを入れて熱し、たまねぎ、鶏肉の順に加えて炒める。鶏肉の色が変わったら水を加え、沸いたらアクと脂をすくう。かぼちゃを加えて再度沸いたら中弱火にして5分ほど煮て、舞茸とAを加えてさらに5分ほど煮る。少し煮崩れてきたかぼちゃを溶かすように軽く混ぜる。

    3)2を器に盛り、粗挽き黒こしょうと粉チーズをかける。

    ※酒粕はスープの液体一部と一緒に30秒ほどレンジ加熱すると溶けやすくなります。
    ※チーズの塩分を考慮し、Aの塩は少なめになっています。チーズを加えない場合は適宜加えてください。

    調理のポイント

    酒粕はアルコールを含む食品ですのでアルコールが弱いかたやお子様向けにはしっかりと過熱するなどして召し上がってください。
    酒粕には板粕、ばら粕、練り粕などがありますが、ペースト状になった練り粕がおすすめです。

    いつもの食事にこまめに取り入れて!

    今回ご紹介したのは、免疫アップ効果が期待できる食材を集めたパワースープ。その中でもポイントとなる酒粕は、それだけで気を補い、身体を温め、腸内環境も整えてくれます。いつものスープに酒粕をプラスするだけでもOK。味が苦手な方でも、今回のように洋風にアレンジすると食べやすくなります。きのこのポタージュなどに加えてもおいしいのでおすすめ。免疫力は一日でぱっと高められるものではないので、ぜひこまめに、気軽に取り入れてみてくださいね。

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