正しい方法を知っている?包帯の巻き方と止め方
包帯の種類を紹介
包帯にはいくつかの種類があり、それぞれ異なる特長を持っています。そのため、目的や使用部位に合わせた包帯を選ぶことが大切になります。伸縮包帯は、薄手で伸縮性がある包帯です。巻きやすくて緩みにくいので、巻きにくい関節部などもぴったりフィットします。吸湿性や通気性にも優れており、傷口に当てたガーゼの固定に最適です。ただし、伸縮性があるため骨折や捻挫のように患部を固定するには向きません。
弾力包帯は厚手で伸縮性のある包帯です。骨折や脱臼、捻挫などの患部の固定に使われています。整形外科や接骨院などでお馴染みです。非伸縮包帯は伸縮性のない包帯です。こちらも整形外科や接骨院などで患部の固定に使われていますが、巻きにくくほどけやすいため技術が必要です。粘着包帯は片面に接着剤が付いており、テープのように必要な分だけカットして使うことができます。大変使いやすいので家庭用としても人気があります。
ネット包帯は網状の包帯がチューブ状になっており、患部に当てたガーゼなどにかぶせて固定する包帯です。伸縮性があり、あらゆる場所にフィットするので、一般的な包帯が巻けない場合に便利です。また、通気性に優れているため、蒸れによる不快感を軽減します。
包帯の正しい巻き方と止めかた
包帯を正しく巻くためには、まず持ち方をチェックしてみましょう。引き出した包帯の内側が上にくるようにしたら、親指をロール部分の内側に入れ、残りの指は外側に添えます。そしてなるべく引っ張らないように気を付けながら、転がすようにして巻きます。巻きはじめと巻き終わりは、環行(かんこう)と呼ばれる同じ場所に重ねて巻く巻き方をするのが一般的です。
軸に対して真横にぐるぐると巻くのがポイントです。
患部の固定に多く使われているのが折転帯や麦穂帯です。折転帯は太さが変わっていく部位に向いた方法で、包帯を折り曲げながら巻いていきます。麦穂帯は八の字を描くように交差させて巻く方法で、肩や股関節などの関節部位に多く用いられています。
螺旋帯は包帯を重ねながら螺旋状に巻き上げていく方法で、家庭で多く実践されている巻き方です。ガーゼなどの固定には向いていますが、ずれやすいため骨折などの固定には向いていません。
巻き終わりは環行で終わり、包帯を切って端を軽く内側に折り返してから包帯止めかテープで固定します。どちらもない場合は包帯の端を縦に引き裂いて結ぶことも可能です。
使用する製品を選ぶときの注意点
患部の固定には弾力包帯か非伸縮包帯が向いています。捻挫などの固定に包帯を使いたいときは、血流を阻害しないようにきつすぎず、患部をしっかり固定するためにゆるすぎないように巻くことが大切です。
巻いた部分から先の脈拍が測れない場合や、指先をつまんだときにつまんだ手を離しても血色が戻らず白くなっている場合は、強く巻きすぎている可能性があります。製品によっては破れてしまうこともあるので、一度試してみることが大切です。
包帯の正しい巻き方と止め方を知ろう
包帯は身近な医療用品でありながら、使いこなせていない人も多いのが事実です。固定しなければならないけがをしっかり固定できていなかったり、逆にきつく巻きすぎて血行不良を起こしたりすると、けがの治りにも影響してきます。
けがの種類に合った包帯の選び方や、けがの状態や箇所に応じた包帯の正しい巻き方や止め方を知っておくことは、けがを早く治すことにも繋がります。いざというときに慌てないためにも、包帯の正しい使用方法を一度チェックしてみてください。