怪我した際の正しい包帯の巻き方とは
まずは包帯の種類について知ろう
包帯というとギブスなどの上に巻き付ける白い包帯を想像する人も多いですが、実は材質や形状によっていくつかの種類があります。怪我の状態や怪我をしている部位によって、使用すべき包帯も異なるため、種類とそれぞれの特性について知っておきましょう。包帯には主に「巻軸包帯」「伸縮包帯」「弾力包帯」「弾性包帯」の4つの種類があります。
「巻軸包帯」は患部の固定を目的とした伸縮性のない包帯です。整形外科や外科などで患部の固定に使われています。「伸縮包帯」は伸縮性を持たせた家庭用としてよく使われる包帯です。専門的な技術がなくても簡単に巻くことができます。「弾力包帯」はゴム糸を使わずに特殊な織り方で伸縮性を持たせた包帯です。適度な圧迫感があり高い伸縮性を持つため、捻挫や骨折などの固定に適しています。
「弾性包帯」はゴムなどの素材で伸縮性を高めた包帯です。伸縮性包帯の中では最も弾力性が高く、圧迫固定の処置に適しています。このほかにも、粘着包帯や自着包帯のように包帯に粘着性を持たせた包帯も登場しています。ずれにくく巻きやすいため、幅広いシーンで使われています。
指を怪我した!正しく包帯を巻こう
包帯の巻き方にはいくつかの種類があります。巻きはじめと巻き終わりには、同じ場所に重ねて巻く環行(かんこう)を行います。その後、らせん帯で包帯をらせん状に巻いていき、部位や場合によって、蛇行帯(だこうたい)、折転帯(せってんたい)、麦穂帯(ばくすいたい)といった巻き方を使ってみましょう。これらをうまく組み合わせることで、身体のさまざまな部位をしっかりと巻くことができます。指先を1人で巻くのは大変ですが、巻くときに包帯がずれないようにしっかり押さえておくことが大切です。ここでは伸縮包帯を使って手の指先を覆うための正しい巻き方を覚えましょう。
まずは、指先から指の付け根にかけて縦に包帯を当てます。ずれないように指の腹側でしっかり押さえたら横に折り、らせん状に指の根元まで巻きます。金具を使って留めたら完成です。よりしっかり固定したい場合は、そのまま手の甲を巻いて手首まで持っていき、麦穂帯で8の字に巻いた後手首の環行で巻き終わります。
手首をけがした!正しい包帯の巻き方とは
手首を包帯で固定する場合、人に巻くときは前腕を何かに乗せてもらった状態で巻くと安定して巻きやすくなります。関節は手のひら側に軽く折り曲げるようにして、その状態を維持したまま巻いていきます。
ひとりで自分の手首に包帯を巻く場合は、テープで固定するかあごなどで包帯の端を固定してから巻くようにしましょう。まず、環行で手首を巻き始め、下になった包帯のはみ出た部分を折り込んだら、その上を巻いて親指と人差し指の間を斜めに通します。
次に小指の付け根にくるように麦穂帯で8の字に巻いていき、巻き始めに戻ってきたら環行で終了です。小指側から親指側に巻き始めると手の甲を反らす動きを制限し、親指側から小指側に巻き始めると手のひら側に曲げる動きを制限することができます。痛みに応じて調節するようにしましょう。
正しい包帯の巻き方を知りけがの治療に役立てよう
手首や指は、日常の動作で動かすことが多いため、捻挫や突き指などで炎症を起こしている場合しっかり固定できていないと完治まで時間がかかってしまうことがあります。逆に、患部を保護する目的のときは、強く巻いてしまうと血行不良を起こして傷の治りが遅くなる恐れもあります。怪我を早く治すためには、こうした怪我の種類に応じた巻き方も意識しながら、包帯の正しい巻き方について知っておくことが重要です。