生理時やおりものによる肌荒れ回避法&対処法

生理中やおりものが多い時期に起こるデリケートゾーンの肌荒れ。特にかゆみや痛みがあると心配になりますよね。生理やおりものによってデリケートゾーンが肌荒れする原因や、その対処法についてご紹介します。

目次

生理、おりもの時の肌荒れの原因は?

生理中やおりものが多い時に、なぜデリケートゾーンが肌荒れしてしまうのでしょうか。デリケートゾーンが肌荒れする原因には、主に次のようなものがあります。

ナプキンやおりものシートの不衛生

ナプキンやおりものシートが不衛生な状態だと、肌荒れを引き起こす原因になります。生理中やおりものが多い時、デリケートゾーンはナプキンやおりものシートが密着した蒸れやすい環境です。さらにナプキンやおりものシートを長時間つけっぱなしにすると、雑菌が繁殖し、かぶれの原因になることがあります。特に思春期は汗や皮脂の分泌が盛んな時期。10代の女性のデリケートゾーンは、汗や皮脂によって湿度が高くなり不衛生な状態になりがちです。

洗いすぎ

デリケートゾーンの皮膚は刺激に弱いため、洗いすぎには注意が必要です。特に粘膜付近は角質が薄く、洗浄力の強い石けんなどでゴシゴシ洗うと肌荒れを引き起こしてしまうことも。生理中やおりものが増えている時は皮膚への負担も大きく、洗いすぎが肌トラブルにつながりがちです。トイレの洗浄機を使いすぎるのも皮膚への刺激になるため、適度な使用を心がけましょう。

尿漏れ

加齢や出産などをきっかけに、尿道を支える筋肉(骨盤底筋)が緩むことで尿漏れを経験する人も多くいます。下着などに付着して時間が経った尿は肌を刺激し、かゆみやかぶれ、赤みの原因になることも。また、尿漏れケア製品などが肌に密着した状態が続くことで、肌がムレてふやけ刺激に弱くなってしまうこともあります。尿漏れによって肌への負担が増えていると、生理やおりもの時には肌荒れなどのトラブルを引き起こしてしまいがちです。

ムダ毛処理

デリケートゾーンの皮膚は薄く刺激に弱いため、ムダ毛処理が肌に大きな負担を与え、肌荒れの原因になることがあります。特に毛抜きを使った自己処理は、毛を抜くときに皮膚が引っぱられて傷ついたり、菌が入ってしまう可能性も。ムダ毛処理によってできた傷が、生理やおりもの時の肌トラブルにつながることもあります。デリケートゾーンのムダ毛処理は、皮膚を痛めないよう、やさしく慎重に行いましょう。

更年期の影響も

更年期は女性の体に大きな変化が訪れる時期ですが、デリケートゾーンも例外ではありません。更年期はデリケートゾーンも乾燥しやすく刺激を受けやすくなるため、生理やおりもの時の肌トラブルが起こりがちです。さらに、皮膚が乾燥することで、下着のこすれやボトムスの締め付けがかゆみにつながることも。また女性ホルモンが減少することで、おりものや粘液の量が減り、膣の自浄作用が弱まってかゆみやかぶれが起きることもあります。

生理、おりもの時の肌荒れの対処法

生理中やおりものが多い時に肌荒れしてしまった場合はどうすればよいのでしょうか。対処法をご紹介します。

早めの受診を

デリケートゾーンの肌荒れがかゆみを伴う場合は、不快なうえ日常生活に支障が出ることも。市販のかゆみ止めを使う場合は、必ずデリケートゾーン用のものを選びましょう。市販薬では治らないケースもあるため、かゆみが続く時は早めの受診を。

また、自分では生理やおりものによる肌荒れだと思っていても、実際は別の病気が原因でかゆみやかぶれを引き起こしている場合もあります。気になる症状があるときは、医療機関の受診をおすすめします。

洗いすぎない

デリケートゾーンを清潔にすることは大切ですが、洗いすぎには注意が必要。固いスポンジ等を使って洗うと、皮膚への強い刺激が肌荒れにつながることもあります。デリケートゾーンを洗うときは、洗浄剤をよく泡立てて手に取り、強くこすらずやさしく撫でるように洗いましょう。デリケートゾーン専用の石けんなどを使用するのもおすすめです。また、膣内はさまざまな常在菌の働きで清潔に保たれています。膣の自浄作用を妨げないよう、膣の中までは洗わないようにしましょう。

下着の素材にこだわる

デリケートゾーンは、普段から下着や衣類に包まれており通気性が悪い場所です。さらに汗や分泌物が溜まり蒸れた状態が続くと、皮膚への刺激になり肌荒れの原因になることもあります。下着は綿や絹など、吸湿性のよい素材のものを選びましょう。また夏場は特に、ストッキングやスリムパンツなどの通気性の悪い衣類を長時間着用することは避け、汗をかいても蒸れにくい環境を整えましょう。下着が汚れた時はこまめに取り替えるのも大切です。

デリケートゾーンを清潔に保つ

生理中やおりものが多い時は特に、デリケートゾーンが蒸れて不衛生な状態になりがちです。ナプキンやおりものシートはこまめに交換し、デリケートゾーンを清潔に保ちましょう。またナプキンやおりものシートなどは、人によって合わない素材のものもあります。刺激を感じる素材を避け、自分の肌に合うものを使用しましょう。生理中にタンポンを使用する時は使用時間を必ず守り、経血量に合わせてこまめに取り替えるようにしましょう。

生理やおりものが出ている時に感じるかゆみは病気が原因かも?

生理中やおりものが出ている時に感じる強いかゆみは、肌荒れのほかに病気が原因で起こることがあります。

症状と病名

デリケートゾーンにかゆみがあり、カッテージチーズ状に固まった白いおりものや、ヨーグルトのようなおりものが出る時は「カンジダ症」が疑われます。カンジダとは真菌(カビ)の一種で、健康な人の皮膚や体内にも存在します。カンジダは膣内の常在菌でもありますが、風邪や疲れなどで病気に対する抵抗力が低下していると、膣内で異常増殖し膣カンジダ症を発症することがあります。

デリケートゾーンにかゆみを感じ、同時におりものの量が増えたり、黄白色の泡立ったようなおりものが出るときは「トリコモナス膣炎」によるものかもしれません。トリコモナス膣炎はトリコモナス原虫の感染によって発症する性感染症ですが、トイレの便座や浴室などで感染することもあります。

対処法は病院へ行くべき

デリケートゾーンにかゆみがあり、おりものの異常や排尿時に痛みなどを感じたときは、なるべく早く医療機関を受診しましょう。かゆみの原因が性感染症などによるものである場合、放っておくと症状が悪化してしまうこともあります。またパートナーがいる人は、相手に自覚症状がなくても感染している場合があります。パートナー同士の再感染を防ぐため、必ず2人とも治療を受けることが大切です。

放置すると不妊などの原因に

性感染症が原因で強いかゆみが生じている場合、治療をせずに放置すると不妊の原因になることもあります。不妊以外にも、妊娠中の性感染症への感染が流産や早産のきっかけになることもあります。「何かおかしいな」と感じた時は必ず医療機関を受診し、適切な治療を受けましょう。

ケアと対処をしっかりしよう

生理中やおりものが多い時は、ただでさえ体に負担がかかりがち。生理中やおりもの時の肌荒れによる不快感を避けるために、普段からデリケートゾーンのケアを心がけましょう。特に、同じナプキンの長時間利用や汚れた下着の着用を避け、デリケートゾーンをいつも清潔に保つことが大切です。かゆみがひどい場合や異常を感じたら、早めに受診し適切な治療を受けましょう。