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厚生労働省によると、年間を通して2~3万人が食中毒になっているといいます。その背景には、エアコンの完備や密閉性の向上で一年中暖かい住宅環境、輸入食品の増加、冷凍・冷蔵食品の大量流通などがあり、一年中、発生しやすい状況にあります。この目に見えない手強い敵“食中毒”について、原因になる細菌を中心に見ていきましょう。
食中毒を防ぐポイント
食中毒予防の3つの原則は、菌を「1.つけない、2.増やさない、3.やっつける(殺す)」。食中毒を起こす細菌やウイルスの種類は違っても、予防するには共通のポイントがあります。それを確実に実践して、食中毒から身を守りましょう。
- とくに生鮮食品などは、商品の回転率のいい店で購入する。
- 買い物の順番として、生鮮食品は最後に購入する。
- 買ったものは長時間持ち歩かず、2時間を超える場合は保冷材を入れる。
- ビンや缶などの容器は、ふいてから冷蔵庫に入れる。
- 冷蔵庫は詰め過ぎず、扉の開閉を少なくして庫内の温度を上げない。
- 肉や魚介類の汁は、他の食品につかないようにする。
- 肉、魚などは調理の直前まで冷蔵庫に入れておく。
- 低温でも増殖する菌がいるので、食品の長期保存は避ける。
- 調理前はもちろん、調理中、生鮮食品を触ったら、よく手を洗う。
- 包丁やまな板は、先に生野菜などの加熱しないものに使い、その後に肉や魚介類に使う。
- 調理器具は、食材が変わるたびに洗う。熱湯をかけると消毒効果がある。
- 食品の中心部まで、75℃で1分以上加熱すると、ほとんどの菌は死滅する。
- 常に、温かくして食べる料理は温かく(65℃以上)、冷やして食べる料理は冷やして(10℃以下)おく。
- 食品は、調理前であっても料理後であっても、室温に長時間放置しない。
- 食中毒菌O157の場合、室温で15~20分置いておくだけで、菌の量が2倍になる。
- 早く冷えるように、浅い容器に小分けして保存する。
- 食べるときは、十分に加熱してから食べる。
- 調理後、時間が経ち過ぎているものは、思い切って処分する。

肉や卵などに付着している菌、十分な加熱で殺菌可能
- 食後6~48時間後に、嘔吐、腹痛、下痢、発熱などを起こす。
- 乳幼児、高齢者、抵抗力の落ちている人などは、症状が重くなりやすい。
- 加熱不足の卵、肉、魚などを使った料理を食べる。
- 生肉を切った包丁を、洗わずに他の食品にもそのまま使う。
- 害虫やペットにより、菌が食品につく。
- 卵、肉、魚介類などの生鮮食品は、新鮮なものを購入して冷蔵庫に保存。
- 熱に弱いので、十分加熱(75℃、1分以上)して、早めに食べる。
- ペット(犬、猫、ミドリガメ、ヘビなど)にも付着しているので、要注意。
鶏肉の加熱不足が主な原因、行楽シーズンの発症が多い
- 食後2~7日で、下痢、発熱、嘔吐、腹痛、筋肉痛などを起こす。
- 下痢には血が混じることがある。
- とくに5歳未満の幼児の発症が多い。
- 行楽シーズン(5~6月、10月)に多い。
- 感染した数週間後に、手足や顔面のまひなどを起こすこともあるといわれる。
- 加熱不足の鶏肉、牛レバーを食べる。
- 殺菌されていない井戸水や湧き水を飲む。
- 子どもはペットから感染することもある。
- 生肉など加熱が必要な食品は、中心部まで火が通るように十分加熱(65℃、数分)する。
- 冷蔵庫で生肉を保存するときは、その汁が他の食品にかからないように、容器に入れてふたやラップをする。
- 殺菌されていない井戸水や湧き水は飲まない。
- ペットと遊んだ後は手を洗い、ペットが食品や食器に触れないようにする。
主に近海魚に付着。十分に洗って、加熱してから食べる
- 食後4~96時間で、激しい下痢、腹痛などを起こす。
- 下痢に血が混じることもある。
- 夏に発生することが多い。
- 乳幼児、高齢者、抵抗力の落ちている人などは、症状が重くなりやすい。
- 主に近海魚に付着していることが多い。
- 魚介類を水でよく洗わずに調理する。
- 魚介類の刺身、寿司を食べる。
- 魚介類は流水でしっかり洗う。
- 冷凍の魚介類の解凍は、自然解凍を避け、電子レンジや冷蔵庫で行う。
- 生の魚介類など加熱が必要な食品は、中心部まで火が通るように十分加熱(60℃、10分以上)する。
ヒトの皮膚、鼻やのどに常在する菌。食品のなかで大量に増殖
- 食後1~6時間で、吐き気、嘔吐、腹痛などが起こる。
- 下痢を起こすこともあるが、発熱はしない。
- ヒトの皮膚、鼻やのど、傷口などに常在している菌。
- 生の魚介類など加熱が必要な食品は、中心部まで火が通るように十分加熱(60℃、10分以上)する。
- 菌は熱に弱いが、菌が作る毒素は熱に強い。一度毒素ができてしまうと、加熱しても食中毒は防げない。
- 手に傷があるときは、調理をしない。するときは手袋などをして、傷が食品に触れないように、十分に注意する。
- 食品は冷蔵庫で保存して、菌が増えないようにする。
- おにぎりを握るときは、ラップを使うと菌がつきにくい。
生や加熱不十分な二枚貝から感染、非常に高い感染力がある
- 食後1~2日で、嘔吐、激しい下痢、腹痛などを起こす。
- 乳幼児、高齢者、抵抗力の落ちている人などは、症状が重くなりやすい。
- ウイルスを含む二枚貝(カキなど)を、生や十分加熱せずに食べる。
- 感染している人の手を通じて、ウイルスが付いた食品、ウイルスがついた包丁で調理した食品を食べる。
- ノロウイルスによる食中毒にかかった人の便や吐いたものを通じて感染する。
- ウイルスを含むと疑われる食品の中心温度を、85℃以上で1分間以上加熱する。
- 体調が悪いときには、カキなどの二枚貝を生で食べるのを控える。
- 生の二枚貝を触った手や調理器具で、ほかの食品を触らない。
- 貝の砂抜きや殻から中身を出すとき、洗うときなど、貝についている水が食器や調理器具に飛ばないようにする。
- 食中毒にかかった人の便、嘔吐物を処理するときには、ビニール手袋とマスクを着用。
- 便や嘔吐物を掃除したときに使用したぞうきんは、塩素系漂白剤にひたして消毒する。
- 便や嘔吐物で汚れた床などは、表示されている濃度に薄めた塩素系漂白剤を含ませた布で覆い、しばらくそのまま置いて消毒する。
加熱不足の肉、生野菜についた菌が原因で、腹痛、下痢、発熱に
- 食後12~72時間で、腹痛、下痢、発熱、嘔吐などを起こす。
- 下痢に血が混じることがある。
- 加熱不足の肉が原因になりやすい。
- 殺菌されていない井戸水や湧き水を飲む。
- 生肉を切った包丁で、ほかの食品を切る。
- 生野菜に菌がついていて、それを洗わずに食べる。
- 生肉を触った手はよく洗う。
- 生肉など加熱が必要な食品は、中心部まで火が通るように十分加熱(65℃、数分)する。
- 生野菜はよく洗ってから食べる。
他の病原性大腸菌よりも症状が激しく、重症化することも
- 食後12~60時間で、猛烈な腹痛、下痢、下血、嘔吐、吐き気などを起こす。
- 他の病原性大腸菌に比べて、症状が激しい。
- 重症化すると、死に至ることもある。
- 加熱不足の肉などを食べる。
- 殺菌されていない井戸水や湧き水を飲む。
- 生肉を切った包丁を、洗わずに他の食品にもそのまま使う。
- 生野菜に菌がついていて、それを洗わずに食べる。
- 生肉を触ったら、よく手を洗う。
- 生肉など加熱が必要な食品は、中心部まで火が通るように十分加熱(65℃、数分)する。
- 生野菜はよく洗ってから食べる。
カレーやシチューなど、たくさん作って加熱を繰り返す食品が原因に
- 食後8~20時間で、おなかが張り、腹痛、下痢などを起こす。
- 嘔吐や発熱はほとんど起こさず、症状は1日程度で回復する。
- 加熱調理した後、室温で冷まして放置し、再び加熱することを繰り返す食品(煮物、カレー、シチュー、スープなど)がなりやすい。
- とくに給食など、一度に大量に調理した食品が原因になることが多い。
- 作り置きした料理を食べるときは、十分に加熱してから食べる。
- 加熱調理したものは、できるだけ早く食べる。
- 残った食品を保存するときは、浅い容器に小分けして、素早く確実に冷やす。
- 食品を温めたまま保存するのであれば、60℃以上を保つ。
ご飯や麺類を大量に作り置きしたときに発生しやすい
- 嘔吐型と下痢型の2タイプがある。
- 嘔吐型の場合、食後1~5時間で、吐き気、嘔吐、腹痛などを起こす。日本ではこのタイプが多い。
- 下痢型の場合、食後8~16時間で、腹痛、下痢などを起こす。菌が小腸の中で作った毒素が原因となる。
- 嘔吐型は、チャーハン、ピラフ、焼きそば、スパゲティなどが原因になりやすい。
- 下痢型は、特定の食品に限らず、あらゆるものが原因になる。
- 一度に大量のご飯や麺類を調理して、作り置きしない。
- ご飯や麺類などを保存するときは、小分けにして速やかに冷蔵庫、冷凍庫で保存する。
- この菌はあらゆる所にいるので、食品にほこりがつかないように注意する。
- 調理済みの食品には、ふたやラップをしておく。
瓶詰め、缶詰など長期保存できる自家製食品に多く発生
- 食後8~36時間に、嘔吐、下痢、うまく話せない、ものを飲み込みにくいなどの症状が出る。
- 重症化すると、呼吸ができなくなり、危険な状態になる。
- 飯寿司(いずし)、瓶詰め、缶詰など、長期保存されることが多い食品が原因になることが多い。
- レトルトと同じような包装の場合、冷蔵保存されずに保存すると、そこで菌が発生する。
- 海外では、ハム、ソーセージなどが原因の場合もある。
- 乳児ボツリヌス症の場合、ハチミツが原因の場合がある。
- 作り置きした食品を食べるときは、十分に加熱してから食べる。
- 120℃で4分、100℃で360分以上の加熱をしないと、菌が死滅しない。
- 土の中にいる菌なので、料理に使う材料はしっかりと洗う。
- 真空パックや缶詰が膨張していたり、異臭があるときは食べないようにする。
- 冷蔵保存が必要なものが多いので、保存方法の表示を確認する。
- 乳児にはハチミツを与えないように注意する。
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